自閉症は発達障がい(生まれつきの脳の発達の特徴)の一種です。国連は毎年4月2日を世界自閉症啓発デーに定め、この日には、アメリカのエンパイアステートビル、エジプトのスフィンクス、インドのタージマハルなど、世界中のランドマークが自閉症のシンボルカラーであるブルーにライトアップされます。日本でも、東京タワーなど160か所以上がこの運動に参加し、各地域でさまざまな啓発イベントが行われています。
なぜ自閉症啓発デーが必要なのでしょうか。
自閉症のある人は、人とのかかわり方に独特なところがあったり、こだわりが強く場面の切り替えが苦手だったりします。突然の予定変更に対応したり、暗黙の了解をくみ取ったりなど、私たちが毎日の生活の中で何気なく、ごく当たり前にしていることにとても苦労したりします。同じ自閉症のある人でも「みんなと同じ」にできることばかりを強要されてきた人たちは、毎日が失敗体験の積み重ねになり、自己否定的になっていくことが少なくありません。しかし、よき理解者に恵まれ、「みんなちがってみんないい」と、その違いを受け止めてもらい長所を尊重されてきた人たちは、その人なりの成長を遂げ、苦手さとして見られがちな自閉症の特徴も、裏表がなく誠実、一つのことにとことん打ち込むなどという長所として発揮しやすくなっていきます。
できるだけたくさんの人たちに自閉症のことを知っていただき、自閉症の人たちのよき理解者になっていただきたい。自閉症の人たちのことをもっと知るために、たくさんの人たちに力を貸してもらいたい。世界自閉症啓発デーはそのような願いから生まれました。
函館を中心とした道南地域でも、4月2日に五稜郭タワーがブルーにライトアップされ、その前後には様々な啓発活動が行われます。しかめ面をして難しいことを勉強するのではなく、だれもが楽しんで参加できるイベントです。たくさんの方にご参加いただき、自閉症について関心を持っていただければと願っています。